ブラツクバ

#003 愛の正体、知ってますか? 知らん。

ときどき映画のインタビューの仕事をしていて、 きのうは『パーフェクト・レボリューション』という映画に出演している清野菜名さんにインタビューをしました。

清野さんは『TOKYO TRIBE』のヒロインだとか、近年めざましく活躍している女優さんで、 まだ23歳なんですが、構えてないというか、自分の言葉を持っているというか、 人と人、という感じで普通に話してくださる、すてきな女性でした。

それでこの『パーフェクト・レボリューション』という映画が、個人的にとても胸にぐっときたんです。 障害者の性をテーマとした活動家で、自身も脳性麻痺の熊篠慶彦さんの実体験をベースに、フィクションを織り交ぜたラブストーリー。熊篠さんがモデルの主人公を、リリー・フランキーさんが演じていて、清野さんはリリーさんと恋に落ちる「人格障害」という心の病を抱えたヒロインを演じています。

障害者の映画、というとなんだか構えてしまうけど、 数年前に大ヒットしたフランス映画の『最強のふたり』のごとく、お涙頂戴とかそんなイメージみたいなものを飛び越えた先にある映画でした。
リリーさんと清野さんがすごくよくて(というかその役にしか見えない。というかリリーさんってほんとになんなんだ)、なんでもないシーンなのに涙が出てきてしまったり、泣ける映画とか簡単に言いたくない映画なんですけど、なんかもう泣けるんです(簡単に言った)。

人格障害というのは、わたしははじめて知ったのですが、 感情の起伏が激しかったり、衝動的な行動や言動をとったりして、周囲との人間関係に苦労する、というものらしいです。
この映画で清野さんが演じているミツという女の子も、とても感情的で、子どもがそのまま大人になったみたいな人。大人の事情とか、理不尽なことだとかを受け入れられずに爆発しちゃう。
でも、好きになったらとにかく一直線で、ものすごく愛にあふれている人物。好きなものは好き。おかしいと思うことにはストレートに「違う!」をぶつける。暴力的なまでに。

たしかにものすごく生きづらそうなんだけど、ミツみたいに生きられたら、どれだけいいだろうと、何度も思いました。 ひとがどう思うか気にして、好きなものも好きって言えなかったり、言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズン(十何年ぶりかに使った)に飲まれて生きてること。果たしてそれで、いいんだろうか。

「愛の正体、ほんとは知ってる」って映画のなかでミツが言っていました。
わたしは愛の正体がなんなのか知らないし、考えたこともありませんでした。
私たちの会社の社訓は「ラブとガッツ」なんですけど、愛も知らずに寝ぼけたこと言ってたわけです。

ガツンと殴られたような、清々しくて、揺さぶられる映画です。来月末に公開なので、見られた方は、GOODWORK COFFEEで語り合いましょう!

 

根本 美保子

根本 美保子

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コピーと編集と企画/1979年、茨城県水戸市生まれ。水戸一高→東京学芸大学。在学中より都内の編集プロダクションに所属し、フリーマガジン「メトロミニッツ」編集部を経て、2009年頃からゆるやかに独立。カルチャー誌や情報誌を中心に活動し、現在は企業や学校等のブランドブックやブランドサイト、広報誌などの企画・編集・コピーライティングに多く携わっています。「視点の転換」をモットーに、広告とエディトリアル両方の視点から、伝える側と受け取る側がともになにかを発見できるクリエイティブを心がけています。好きな映画は、『300』とゾンビ映画。メダカと珈琲も好きです。つくば市松代で、事務所兼ワークスペース兼コーヒースタンド「GOODWORK COFFEE」やっています。つくばの、いろんな面でほどほどなところが気に入っています。

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