ときどき映画のインタビューの仕事をしていて、 きのうは『パーフェクト・レボリューション』という映画に出演している清野菜名さんにインタビューをしました。
清野さんは『TOKYO TRIBE』のヒロインだとか、近年めざましく活躍している女優さんで、 まだ23歳なんですが、構えてないというか、自分の言葉を持っているというか、 人と人、という感じで普通に話してくださる、すてきな女性でした。
それでこの『パーフェクト・レボリューション』という映画が、個人的にとても胸にぐっときたんです。 障害者の性をテーマとした活動家で、自身も脳性麻痺の熊篠慶彦さんの実体験をベースに、フィクションを織り交ぜたラブストーリー。熊篠さんがモデルの主人公を、リリー・フランキーさんが演じていて、清野さんはリリーさんと恋に落ちる「人格障害」という心の病を抱えたヒロインを演じています。
障害者の映画、というとなんだか構えてしまうけど、 数年前に大ヒットしたフランス映画の『最強のふたり』のごとく、お涙頂戴とかそんなイメージみたいなものを飛び越えた先にある映画でした。
リリーさんと清野さんがすごくよくて(というかその役にしか見えない。というかリリーさんってほんとになんなんだ)、なんでもないシーンなのに涙が出てきてしまったり、泣ける映画とか簡単に言いたくない映画なんですけど、なんかもう泣けるんです(簡単に言った)。
人格障害というのは、わたしははじめて知ったのですが、 感情の起伏が激しかったり、衝動的な行動や言動をとったりして、周囲との人間関係に苦労する、というものらしいです。
この映画で清野さんが演じているミツという女の子も、とても感情的で、子どもがそのまま大人になったみたいな人。大人の事情とか、理不尽なことだとかを受け入れられずに爆発しちゃう。
でも、好きになったらとにかく一直線で、ものすごく愛にあふれている人物。好きなものは好き。おかしいと思うことにはストレートに「違う!」をぶつける。暴力的なまでに。
たしかにものすごく生きづらそうなんだけど、ミツみたいに生きられたら、どれだけいいだろうと、何度も思いました。 ひとがどう思うか気にして、好きなものも好きって言えなかったり、言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズン(十何年ぶりかに使った)に飲まれて生きてること。果たしてそれで、いいんだろうか。
「愛の正体、ほんとは知ってる」って映画のなかでミツが言っていました。
わたしは愛の正体がなんなのか知らないし、考えたこともありませんでした。
私たちの会社の社訓は「ラブとガッツ」なんですけど、愛も知らずに寝ぼけたこと言ってたわけです。
ガツンと殴られたような、清々しくて、揺さぶられる映画です。来月末に公開なので、見られた方は、GOODWORK COFFEEで語り合いましょう!