CHALK de TALK

チョークでスーパーマーケット

今回、コラム2つ目。

前回のコラムを読んでいただいた方の『面白かったよ〜』という言葉を真に受けて調子に乗っていたんです。『面白かったよ〜、酔っ払いみたいで』と、文の後半を聞くまでは。

いいえ。シラフです。いたって、シラフです。

酩酊状態だったんでしょ、とか色々言われて文章のテイストを変えようかとも思いましたの。でもね。そしたら、チョークの女神様が『この意気地なし!』って、知恵を授けに降臨してくれなくなってしまったのです。

ええい!これでいってやる!いってやりますとも…‼︎ というわけで、今回もまたお付き合いくださいまし。

スーパータイヨーがつくば市にオープン

今年5月、つくば市にスーパータイヨー学園の森店がオープンしました。茨城県内に本社のある住民のなじみも深いスーパーマーケット。商品の種類も豊富でお手頃価格。思わずテンションが上がってしまって、料理する気もないのについつい食材を買い込んでしまう危険なスーパーです。

この度、このスーパーの店舗壁面の装飾の一部として、チョークアートでキャラクターを描かせていただきました。

チョークアートに白羽の矢 コトの発端

『なに!チョークアートやってんのか!オレも今、チョークアートに興味持ってるんだよ…..どれどれ、うん、いいね!』

強烈なキャラ(失礼!)で知られるFデザイン事務所のF氏から話を持ちかけられ、あれよあれよと言う間に打ち合わせをすることに。ちょうど、このTSUKURI-BACOの母体であるTSUKURI-BARの、去年11月のTSUKURI-BAR展の打ち上げを兼ねた会合の席でした。

F氏によると…。5月にスーパータイヨー学園の森店がオープンする。そのデザインをF事務所が請け負っている。先方のリクエストとしては、つくば市学園の森という街の雰囲気に合うように、店舗のイメージはちょっと大人っぽくシックでオシャレを目指したいとのこと。そこで難関なのが、スーパータイヨーのオリジナルキャラクーは絶対外せない!という社長さんの熱い思い入れをどう取り入れるか。何せ、このキャラたち、ラブリー&ゆるカワで….目指したいシックな雰囲気とどう合わせるか…?(←茨城弁超意訳)

『んで、チョークアートでキャラクターを描いたらがっぺ! オレって天才だっぺ〜! 』(訳:ならば、チョークアートでキャラクターを描いたら良いだろう!私は天才だろう!)名誉のために言っておきますが、F氏は世界的にご活躍のグラフィックデザイナーさんです。あえてディスります(笑)

チョークアートを店舗デザインに取り入れようだなんて、お目が高いわ。そりゃあ、ラブリーキャラに手描きの温かみとオシャレ要素が加われば、目指すシックな雰囲気に合いますとも!(←自画自賛)

はぁ〜ん?

さて。私もそうですが、多くのクリエイターにとって苦手なことの一つが価格交渉ではないでしょうか。

実際、チョークアートも結構な手間がかかります。かかる手間の大変さを理解してくれる人はちゃんと納得してくれますが、そうでない人からは『え〜!、そんなにするの⁉︎』と言われてしまうこともしばしば。ましてや、急ぎで一気に描いてくれ、なんて鬼です。鬼。ひとつひとつ手描きで、直に指を擦り付けて描くのは中々の肉体労働でもあって、指の皮がむけたりすることも。それらを鑑みての納期と金額設定なのです。

ですので、現物をちゃんと見たこともなく『あんなの、チャッチャッと描けっぺ。もっと安く!早く!』と言う人には『はぁ〜ん?』って言って、デスノートばぁ〜んって広げて油性ペンで名前書いてやります。夜中23時頃に大声で電話してきて値切ってくるなんて、ウチの営業部員がシッポの毛逆立ててるじゃない。もう、呪うの通り越して、ナンダソレ音頭で祝うしかない(飲んでないよ笑)

こんなことは滅多にありませんが、相手がちゃんと理解してくれる人なのか、いつも価格交渉は緊張します。ほんと、その分の精神的労力を制作に当てたいものです。お金払うから誰かやって欲しい、と つくづく思います。『はぁ〜ん?』なんてヤサグレた気持ちじゃ、いい絵なんか描けないですもの。

制作・納品

今回の件はスーパータイヨーに元々あるオリジナルキャラクターにポーズをつけて描き起こし、それをチョークアートで描くということ。原画で納品し、そこから先の拡大印刷から切り抜き壁面への設置という手はずはFデザイン事務所が整えました。最終的にそうなりましたが、『大きく描いたキャラクターを壁面にステキに設置するイメージ』を実現するためには、材料や切り抜きの方法など諸々の、とにかく諸々の交渉がありました。アイディアを出す、調べる、各所に問い合わせてみる…etc.   単純に絵を描くだけの作業ではないのです。本来、いわゆる諸経費に含まれる労力です。

紆余曲折を経て、いよいよ描く作業。なんだかんだで、結局短納期になり一気に描かなくてはならなくなってしまいました。世間がゴールデンウィークで浮かれている中、工房に引きこもりです。遊べ、撫でろ、構え、散歩連れてけ、という我が工房の営業部員たちの申し出をことごとく断り、修行僧の如くひたすら制作に打ち込みました。

売れっ子作家よろしく『もうちょっとね、もう少し待ってね』とFデザイン事務所の担当者さんを傍で待たせる間、我が営業部員が『撫でてもいいよ。遊んであげようか?』ともてなして時間を稼ぎました。ちなみに、この担当者さん、すごくいい方で。最後までチョークアートの良さと制作の大変さをF氏に訴え続け、失礼を詫びてくれました。早く出世して欲しいものですわ。

『で、で、でけた〜!!!』

すぐさま担当者さんが持ち帰り、そこからの行程はお任せです。原画をスキャナーで読み取り、専用の用紙にプリントアウト。専用のボートに貼り付けて切り抜き、店舗壁面に設置するとのことでした。

その夜は久々に爆睡。営業部員もぴったり寄り添ってアゴ出して寝てました。

いざ、スーパーへ!

『すみませんっ!やっぱりコレ、着けてくださいっ!』慌てて店長さんが入店許可証を持って走ってきました。

『あ、もう撮影終わりましたので大丈夫ですよ?』『あ、いえ、あの…、他の従業員が不審がっちゃって…すみません!』…..えぇ〜!不審者かいっ⁉︎

オープンして3日後、ご挨拶と写真撮影にお邪魔すると、とにかくすごい人、人、人…!

お客さんだけでなく関係者の方も多く出入りしていたため、私がご挨拶しに伺った時は入店許可証が出払ってしまっていたため、店長さん判断でそれ無しでも撮影OKにしてくれたのでしたが…

いや〜ん、どおりで従業員の方たちがやたら見てると思ったわ。恥ずかすぃ。

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

改めて店内を見渡すと、壁にはあのキャラクターたちがニコニコしていました。

うん、悪くない。

店内は少し大人っぽいオシャレな感じを出しつつも、親しみやすい雰囲気もあって活気に溢れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RIKA

RIKA

投稿者の記事一覧

チョークアーティスト。茨城県小美玉市出身。見直しもせずに答案用紙の裏には必ず落書きをし、「将来は画家になる」と作文に書いていたお絵描き大好き少女が、紆余曲折を経てウン十年。諦めかけるも執念でアートの道に。現在はチョークアートの制作販売とレッスンを手がける。『美味しいものをより美味しそうに、素敵なものをより素敵に』が絵のポリシー。リアルに描いてしまうため、苦手なものを描いていると催吐反射に襲われることも。趣味はネコをねこかわいがりすること。好きなものは、ビールとナッツと親父ギャグ。基本的に食べるのは遅いが枝豆だけは早食い。

関連記事

  1. 「非日常空間で幸せなひとときを」Chalk de Walk @ …
  2. チョークでビール
  3. 「毎日通っても飽きない本場ナポリの味」Chalk de Walk…
  4. 「コーヒーとアートがコラボする深煎りトーク」Chalk de W…
  5. 「夜も花咲くガレットカフェで幸せトーク」Chalk de Wal…
PAGE TOP