クリエイター訪問

みんながつながる壁創り「防潮堤壁画アート」 in 土浦港

茨城の港といえば大洗が有名ですが、県南の土浦市にも港があるのをご存知でしょうか?その名もズバリ土浦港で、海ではなく霞ヶ浦につくられた遊覧船の発着港です。その土浦港で第17回「世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)」開催に合わせて、壁画アートが制作されました。今回は制作の様子と参加アーティストのみなさんの声、動画撮影の裏側レポートをお届けします。

そもそも「土浦港ってどこ?」という方も多いと思うので、カンタンに場所を説明しますね。JR土浦駅東口を出て、駅前通りを石岡方面に歩くこと約2分、右手に船やヨットが見えたらそこが土浦港です。

駅近という好環境に位置しており、電車から遊覧船への乗り換えも案外スムーズなんです。

確かあれは9月半ば、知り合いのアーティストさんたちが、なにやら壁に絵を描いているらしいとの情報が届きました。

場所が土浦港と聞いて「あの釣りスポットか。確かに壁に絵でも描かれていれば釣り人も和むはず」くらいに思っていましたが、想像とスケールがまるで違っていました。

THE壁画のウルトラビッグスケールです。

この大がかりなプロジェクトの情報が現場で制作に当たっているアーティストさんたちからしか届かないのはもったいないと思ったのと、実際に見に行きたくなるようなカタチに残したいと考えた結果、キャッシュカードよりSDカードを大切にするTSUKURI-BAR撮影班が動きました。

そして迎えた10月8日(土)の撮影当日、季節はすっかり秋です。

まずはドローンで位置関係と全体像と撮影していきます。操縦するのは水戸から駆けつけてくれた映像制作のプロ、関口裕輔さん。

なるべく高く飛ばして街並みと山を入れてほしいという要望にも「了解っす♪」と、司会業も難なくこなせるエエ声で快諾していただきました。

ドローン撮影が終わったあとは子どもたちに走ってもらいます。協力してくれたのはこちらの三姉妹。コシノ三姉妹、風間三姉妹、道端三姉妹の次を担うであろう、茨城の宝キッズです。

ゆるめのかけっこという感じですが、こうして子ども目線で見ると壁画の迫力がよりよく伝わるような気がしませんか?

これを撮ってくれたのが3度のメシより撮影好きな3児の父、早瀬将一さんです。子ども目線が撮影条件に加わったことで、腰にダメージを残しそうな体勢のままかわいい被写体を追いかけてくださいました。

最後にシャボン玉です。壁画=シャボン玉という勝手なイメージから、イベント準備で多忙な毎日を送っている塙千佳子さんにいろいろ用意していただきました。ちょうど風が西向きに吹いていたため、そのグッドタイミングを逃さないよう、ひたすらシャボン玉を飛ばします。なんとなくですが、魚がエラ呼吸で回遊しているように見えてきました。

シャボン玉遊びを「もう飽きた」と言わせるほど楽しんだところで、撮影終了です。みなさん本当にお疲れさまでした!で、無事完成した動画がコチラです。

https://www.facebook.com/tsukuribar/videos/2199046040314359/

一週間後の10月13日(土)はイベント本番のお披露目会。土浦港周辺に多くの人が集まっていました。

イベントマップ的には「サテライトつちうら」といい、屋内ホールでの展示のほか、音楽ライブやグルメなどファミリーで楽しめる催しがスケジューリングされており、朝から賑やかでした。

最後に壁画制作に参加した6人のアーティストさんにお話を伺いましたので、そちらをどうぞ。コンセプトはもちろん制作中の苦労や気づきなど、作品を見ただけではわからない裏話が盛りだくさんです。

 

Lakitschさん「The Special Ordinary Days ~特別な日常~」

タイトル通り、普通の日常だって特別になるんだよという意味を込めました。この鳥は最初カモメだったんですけど、この辺では飛んでいないし、なにかしらの生き物が楽しそうに描かれていればいいかなと(笑)制作期間はギュッとまとめると3~4日くらいですが、暑い日に来ていたせいかダラダラしちゃって描けないこともありました。日差しも強くて、背中の皮が剥けたままです。見てくれた人からは迫力があるとか、歌舞伎っぽいと言われたりしますね。なるべく遠くから眺めていただけるとうれしいです。

 

麻生夏未さん「蒼く深く」

霞ヶ浦を橋の上から眺めている様子です。土浦はサイクリングする人が多いのでこの辺で立ち止まって写真を撮っていただけたらいいかなと思いました。壁画の木と後ろの木がつながっているのがポイントです。子育ての合間に描いていたので、日曜と月曜日は午後から夕方6時まで、火曜は風邪をひいたためお休みして、水~金の1時間ずつで仕上げました。ちょっと海っぽいですが、見えない景色を描いてもいいんじゃないかと。壁画は初挑戦でしたが、創作意欲の沸く作業でした。

 

たかほりひろこさん「キラキラ探検隊」

学生さんを除けば、最初に描きはじめたのが私だと思います。ちょうど忙しい時期だったので迷いましたが、ギャラリーと違って描いた絵がずっと残るというのは面白いなと思って参加しました。おそらく水辺のものを描く人が多いだろうから、そうじゃないものを入れていこうと。茨城のモチーフをいろいろ入れつつ、見た人を悩ませたいと考えました。制作は12日間と結構かかりましたね。でも、外で描くのは気持ちよくて、他のアーティストさんとの交流も生まれて学生のときを思い出しました(笑)

 

飯泉あやめさん「生きている霞ヶ浦」

全長60メートル、私のビジョンと比べたらまだまだ小さい方です(笑)実際に土浦港に来てみるとポスターなんかにある霞ヶ浦のイメージとは違い、風と日差しが強く、水面に関しては波がうねっていて立体的でした。描いているときはこの場所の風と光と波を感じながら、自然のエネルギーを自分の中心を通して吐き出すという感じです。また自分が世界の一部として生きている感覚に気づきました。手だけでなく体全体を使って描くので、事前の柔軟体操は必須です。ある日、目の不自由な方が散歩していて「(見えなくても)わかる」と言われて、心に響くものがありましたね。

 

サゴさん「つちうらとかすみがうら」

最初は2.5メートルの幅と聞いていたので、昔よく行っていたモール505しか描かないつもりでしたが、5メートルと知ってどうしようかと(笑)土浦は川を埋め立てて今の状態になっているようなので、どうせ水つながりであれば、流れている感じがいいと思いこうなりました。調べたところ霞ヶ浦に魚は約9種類生息しているらしいのですが、外来種を除いて片っ端から描いていきました。他の作品を見てわかるように、みんなテーマに縛られていないんですよね(笑)

 

RIKAさん「水に咲く、水に遊ぶ」

ハス畑は車で通りながら観察したものを、数匹の幻想的な魚は鯉をイメージしています。青のグラデーションが気に入っているので、よく見てほしいです。最初に下地を塗ったあと、チョークで下書きしたんですけど、翌日に雨が降って全部落ちちゃいました(笑)その後はレイヤーを重ねるように1日に1色ずつ描く感じで。最後にここで仲よくなった方からの「カエル描いて」というリクエストにおこたえしました。隠れキャラが欲しいと思っていたのでちょうどよかったです(笑)

いかがでしたか?今回の壁画プロジェクトにおける一番のトピックスはアーティストさん同士の交流が生まれたことかもしれません。また壁画がきっかけになって、散歩や釣りをしている人たちの会話がはじまるなど明るいイメージが沸いてきます。壁というとなにかを隔てる印象がありますが、今回制作された壁画は人と人をつなげるパワースポットになり得ます。土浦に行った際には壁画もチェックしてみてください。

工藤 由行

工藤 由行

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こだわらないことがこだわりのライター&コンテンツエディター&TSUKURI-BACO編集担当。札幌市出身、仙台市経由、筑波サーキットに流れ着いてから20年以上。バイクレーサー→システムエンジニア→ピン芸人→タロット占い師→今ココ。ピン芸人時代と占い師時代に養われた、間とリズムのつくり方、言葉の引き出し術が今の仕事に役立っている。現在はコンテンツ制作とECコンサルがメイン。平面的な構成は得意だが、空間が苦手というか意味がわからないレベル。ソウル国際マラソン、シンガポール国際マラソン完走。おいしいレタスチャーハンの研究とゴルフでわざと遠回りすることで余暇を埋めつつ、新しい趣味を探査中。

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